チューベット、凄いマーチャンダイズだ①

本名「チューペット
別名「パッキンアイス」「ポッキンアイス」「チューチューアイチュ」



今日、親が買ってきたようで冷蔵庫にあった。


本家のチューペットでは無いけど、形はチューペットだ。


チューペット



本社が大阪にある会社が生産をはじめ、関西ではCMもよく放送されていた。



この商品の凄いところ。


なんといっても、形だろう。


子供の頃に、これが無かったら僕の想像力は小さくなっていたかもしれない。



真ん中をポキンッと折ってたべる。
ポキンッと折らなくても、端っこがついている方をはさみや包丁で切って食べる方法もある。



あのカタチと氷が想像力を掻き立てる。



兄弟がいる人ならわかると想うけれど、端っこが丸っこいのと、端っこがとんがっている方があり、どっちを取るかで喧嘩したことはないですか?


僕は端っこがある方を取っていた。最初は弟も端っこがある方を狙っていたけど、
結局、端っこが無いほうがキレイに食べれる事を発見した賢い弟はそっちを狙った。


僕の地元の少年の間では、端っこのある方が人気だった。
近所の年下の子供と遊んでいた時は、端っこのある方を与えて、”お兄ちゃん気分”に浸っていた気がする。


そういえば、去年のゴールデンウィークにコンビニでアイスを買いたいけど、お金が無い少年野球帰りの子供たちがいたので、全員にガリガリ君を買ってあげてヒーローになったのは余談だ。(ちなみに10本程買ったが当たりは無かった)


他には、カチカチになった棒で叩きあいをしたり、壁を叩いてやわらかくしたり、水で溶かして食べ易くしたり、蟻の巣に突き立てたりして無限の遊びをしていた。


少しでも溶けるとなかなか折れなくて、冷凍庫を「強」にしたり、無理やり全力で捻り折ろうとしたり、それでも切れなくて業務用バサミで切ったりもした。


今でも、日本の夏の暑く湿った空の下でチューペットを見てテンションが上がる人は多いだろう。


プラスチックの容器が中身を守り、落としても先を水で洗えばなんとかなる。


これは子供にとっては最高だ。


味も、何種類もあり、僕の地元のオウチでは、グレープから先に無くなっていく事が多かった。


メロン味やブルーハワイ味など、ただ単純に甘くて着色料で色づけされているだけだが、高級感に浸れたり、南国のものを食べている感動を味わう事ができた。



あの食べ方は、チューチューする食べ方は、子供を喜ばせる。
いつまでもくわえていたくなる。
中身が無くなっても、プラスチックの味がしても、吸い尽くしたくなる。


そんな喜びと感動と思い出を与えてくれたチューペット


更に、チューペットが冷たくてランニングシャツに巻き込んで食べていたときに、ランニングシャツとひっつくチューペットを見て、僕は理科の教師をしていたお爺さんに空気の中の水が凍ってしまう現象をおしえてもらった。




そんなチューペットも35年の生産を経て、生産終了を向かえたそうだ。


一度、建てられたビルがいつかかならず潰れるのと同じで、
いつまでも、同じ商品が世の中に存在する事はない。


しかし、チューぺットは生産元が多くて、類似商品が多数流通しているので、

「お母さーん!これ折れなかった!切って!」(2ちゃんねる引用)

という声が聞こえなくなる事はない。

(特許取れよ!と突っ込みたくなるがここでは触れない。)


本家本元の前田産業の生産ラインは止まってしまったが、


東南アジアとかそこらで今も作り続けられている。


35年前は最高のマーケティングと流通経路を持っていたけれど、
廃れていった理由を自分なりにまとめたい。

長くなりすぎたので、残りは明日くらいに書きます。
おれだったらチューペットをこう売る!とか、チューペットの無い暗黒世界。

みたいな偉そうな事でも書きます。