落ち日燃ゆ:広田弘毅の生き方

昭和戦争期の真っただ中に生まれた外務官出身の宰相・広田弘毅

落日燃ゆ (新潮文庫)

落日燃ゆ (新潮文庫)

平和主義を唱えながらも、陸軍の横暴に振り回されながら戦争に突入してしまう。
戦争回避もしくは戦争を平和的に収めるために最大限の当時考えうる努力や政策を施すものの戦争は進展してしまう。

極東裁判において、彼は自己弁護すれば罪は免れただろう。
しかし、かれは自己弁護を一切せず不利な虚言証言に対しても微動だにせずそれを受け止める。

結果的に宣告された刑は

death by hanging
絞首刑

最後を迎える刑務所の中にあっては唯一の文官。
広田を苦しめた陸軍等の軍人たちと共同生活を送ることになる。
彼らさえいなければ彼は絞首刑によって処刑されることはなかった。

しかし広田は彼らにさえも心優しく言葉を投げる。


背広をきた落日が、無言の言葉を放ちながら日本史の中に、空を赤く赤く染めながら燃え沈む



彼の生き方の中にあったのが、

「自然体で全てを受け入れる」とういこと。

この本を読んで僕が思ったことは、
自分は彼のような生き方はできない。


例えが悪いが、合コンで言えば「良い人」で終わってしまうような彼の純粋な生き方は僕にはできない。


もがいてもがいて、少しでももがく過程を楽しみ、生を掴むための行動を取っていたように思える。


ここまで、自分とまったく違った偉人に触れたことは初めてである。


広田弘毅を知り、想像し感じることで

僕の精神的支柱はまた強くなったように思える


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そして日本人としてこの場所に生まれた意味を考える。