菜の花の沖:海に生きた男

菜の花の沖


神戸に住む(有馬温泉の近くで山奥ですが)僕にとって愛着のある淡路島出身の商人が主役です。
たくさんの偉業を成し遂げましたが、函館の基盤をつくったりアイヌ人の生活水準の向上に努めたり、ロシア提督ゴローニンを捕虜から解放したりした人です。



高田屋嘉兵衛

高田屋嘉兵衛の詳しい人物史はこちら


菜の花の沖の著者でもある司馬遼太郎はこう言います。

「人の偉さははかりにくいものですが、その尺度を英知と良心と勇気ということにしましょうか。では、江戸時代を通じてだれが一番偉かったでしょうか。学者、大名、発明家、いろいろいました。私は高田屋嘉兵衛だろうと思います。それも2番目が思いつかないくらい偉い人だと思っています。」

新装版 菜の花の沖 (1) (文春文庫)

新装版 菜の花の沖 (1) (文春文庫)


僕は司馬さんの様に、現地まで取材に行き歴史を肌で感じたり、対象者の子孫の方から直接お話を伺ったことはありませんが、歴史上で尊敬する人物を挙げろと言われたら、高田屋嘉兵衛と答えると思います。

高校時代から数十冊の歴史小説を読んできて、色々な人物に触れ学びましたが僕の価値観を最も豊かにしてくれたのは彼だと感じます。

僕が感じる最も敬うべきことは、

廻船業者として家族や部下を守る土台を築いた上で、商売を超え世間の人々のために常に冒険心と好奇心を持って新たな航路を開拓し、人情厚く命懸けで人々の生活を豊かにする倫理感情を貫き通し実践したことです。


多分、僕の価値観の先にある憧れがこれなんだと思います。
僕のやりたいこともこんな感じのイメージを描いています。


今は就職活動を通して、この憧れに近づく手段を模索している。


勿論、過程の中には過酷なことが多々あることも想像できる。


この本を読むのは3回目なのだが、就活の時期に読んで良かった。

・世の中を動かしていると(影響力)実感できることで、僕の喜びは増幅しアイデアや実行力の可能性が広がると思う。
・大切なことは人の尊厳を想う倫理感情であり、それを発散するために身近な人に直接アプローチすることができる商売がしたい。
・常に好奇心、常に冒険心、そのために必要なことは人と違ったことをする勇気。


江戸時代の船乗り、ゴローニン事件の時は外交官、隠居後は過去に村八分された故郷への恩返し野郎、
最期は何を思って死んだのだろうか。


「今でも世界のどんな舞台でも通用できる人」
北海の快男児高田屋嘉兵衛について興味があれば触れてみてくださいね!

新装版 菜の花の沖 (6) (文春文庫)

新装版 菜の花の沖 (6) (文春文庫)